昨年母が亡くなりました。父は20年前に亡くなっているので、若輩者の姉、私、弟の3人で葬式を出さなければなりませんでした。
母が互助会に入っていてくれた為、連絡さえすれば手配その他はスムーズに行ってくれたのですが、生前母が葬式は出すなと言っていた事が悩みどころでした。
母は長年病気を患っており、医師からご家族を…という話をされた事が何度もありました。そんな状態なので、まだ若い母も冗談抜きに自分の死後を考え、死んだ人間に金を使う事はない、葬式は出さなくていいと何度も言っていました。
私達は母の気持ちを尊重し、葬式は出さないつもりでいましたが、母の最期に集まってくれた親戚達から非難轟々。葬式もしないなんて親不孝だ、看取れなかったお別れをしに来たい親戚も他にいるんだと怒られました。
寝屋川市内で評判の良い葬儀社さんと姉弟とで相談し、母の死んだ人間に金を使う事はないと言ってくれた気持ちと、親戚のお別れをきちんとしたいという気持ちとの間をとって、互助会費用だけでおさまるよう簡素な葬式をする事になりました。
香典は受け取らず、香典返しの用意も無し。花なども極力少なく、まあこれなら母に怒られないだろうという程度にしました。
声をかけるのも親戚のみで、母の友人は声をかけませんでした。と言っても交友関係がわからなかった為でもありますが。
香典は受け取らないと言うとやはり親戚に怒られましたが、母の遺言だと頑固者の弟が押し切って納得して貰えました。香典じゃない、私達への小遣いだと機転を利かせてくれた分は断りきれず、後で香典返しではなくお礼として品物を贈らせて貰いました。
葬儀社の方も理解して下さって、お金はかけなくとも心のこもった葬式だったと思います。
葬式を出す出さない、どんなお式にするかなど悩みは多く、更に短時間で決めなければいけないのが1番辛いところだと思います。
私達は母が生前言っていた事を当たり前に実行するものと思ってましたが、親戚からの待ったがかかるとは想定外でした。
生前に親戚にも伝えておくか、母に一筆遺しておいて貰うかすればもっとスムーズだったと思います。
亡くなった本人の意志を尊重するなら、亡くなる前にお葬式に関わるであろう人達とも意思の疎通をはかるべきでした。
話しにくい事であっても、生きているうちになるべく細かく決めておくに限ると思います。