家族葬は故人との最後の別れに集中できる

母方の祖母を大阪の葬儀社に頼み家族葬で送りました。

初めての家族葬でしたので、身内以外の誰も参列しない葬儀は故人に取り寂しく惨めなものではないかという気持ちがありました。

けれども長男が先に旅立っており、介護費用などの出費も多かったため、嫁いだ娘3人では高額な葬儀費用を出すことが出来ませんでした。

葬儀当日まではモヤモヤした気持ちでいましたが、送りだした今は家族葬の良さが分かります。

通常の葬式では親族が壁際に並んで座りますが、家族葬では祖母を皆で囲みました。

お焼香の長い列がないので、これまで祖母がどのような人と関わり、どのような人生を送ったのかと思いをはせる時間はありませんでしたが、静かな時の中で祖母をみつめ、ゆっくりと別れのための気持ちを準備することが出来ました。

お棺へ花や祖母が好きだったものを入れるときも、人の流れに乗るのではなく、丁寧にお別れすることが出来ました。

母や叔母たちも参列者への挨拶などがないので、愛想笑いや悲しみをこらえての思い出話をする必要が無く、ただ母親の死を受け止めてお別れの儀式に集中できている様子でした。

火葬の時は、重く静かな長い時間が辛かったのです。

通常の葬儀をあげたときには、気を使って「大変だったね」などの声をかけてくれる人がいるので、叔母たちも気持ちを張り詰めている様子でしたが、家族葬では張り詰める理由がないので悲しみが前面に出ていました。

故人との別れの時間に集中できる家族葬も素敵な葬儀のスタイルだと思いました。